【2022年最新版】多様化するハラスメントの種類と人事担当者ができるその対策
テレワークの普及やジェンダーレス、男性の育休取得などひと昔前とは大きく変わった社会。
それに伴い、ハラスメントの種類もさらに増え問題視されるようになりました。
「そんなつもりはなかったのにハラスメント行為になってしまった」そんなことを起こさせないためにも社員へのハラスメント教育を推進する必要があります。
現代社会におけるハラスメントと人事担当ができるその対策をご紹介します。
ハラスメントとは?
ハラスメント(Harassment)とは嫌がらせやいじめを指し、その内容は精神的なものと肉体的なものに分かれます。
そして最終的にそれがハラスメントにあたるかどうかは受けた側がどう感じるかに委ねられるため、日常における個人間のコミュニケーションや関係性も大切になってきます。
ハラスメントの種類は50種類以上!
学校や介護、ママ友間で起こるものなど様々な場面でのハラスメントがあり、その数は50種類以上といわれています。
今回はその中でもとくに会社内で起こりやすいものをあげていきます。
よく起こるハラスメントの種類
パワハラ(パワーハラスメント)
職場内での優位性を背景に業務上の適正範囲を超えて行う行為のことを指します。
物を投げつけたり、蹴られたりする肉体的な攻撃や他の社員がいる前での𠮟責など精神的な攻撃が代表的なパワハラ行為です。他にも個で仕事をするよう命じたり、スマホをのぞいたりする行為もパワハラに該当します。
モラハラ(モラルハラスメント)
必要以上に相手のことを批判や拒絶するなど道徳・倫理に反した精神的な嫌がらせがこれにあたります。道徳・倫理というと定義が難しく感じるかもそれませんが、相手の人格や性格、個人の尊厳を否定したり見下すような言動はモラハラ行為に該当します。
セクハラ(セクシャルハラスメント)
異性間、同性間を問わず性的な嫌がらせのことで、身体に触れたりすることはもちろんのこと、プライベートにかかわることや容姿のことに触れて相手を不快な気持ちにさせる言動もセクハラ行為に該当します。
マタハラ(マタニティハラスメント)
妊娠による体調不良や通院などのために早退や有休を使用することを妨げるなどの言動のことを指し、この行為は男女雇用機会均等法・育児介護休業法で禁止されています。また妊娠・出産時だけでなく、本人の意思や価値観を無視した一方的な発言や不妊治療を行っている人に対する配慮の無い言動などもプレ・マタハラ(プレ・マタニティハラスメント)に該当するハラスメント行為です。
リスハラ(リストラハラスメント)
リストラ対象になった人に対して、適切でない異動や業務命令をすることがそれにあたります。上司や人事担当が注意すべきハラスメント行為です。
多様化した現代社会の新しいハラスメント
ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)
「男性だから、女性だから」と性別で人の行動を制限する態度や発言のことを指し、仕事の場面では性別を理由に業務の割り振りを決めたり、また同じ仕事をしているのに給与や待遇に差があることもジェンハラに該当します。
テクハラ(テクノロジーハラスメント)
パソコンやスマートフォンなどITに詳しい人がそうでない人に対して嫌がらせや差別発言を行う行為のことを指します。理解できない専門用語をわざと頻用することもテクハラにあたるので注意が必要です。
リモハラ(リモートワークハラスメント)
リモートワーク(テレワーク)が普及した昨今における新しい種類のハラスメントで、オンライン会議の際に室内に映るものに関して過剰に反応したり、監視のような過度な干渉をしたりする行為がリモハラに該当します。リモートワークに慣れていないことで無意識にしてしまいがちなことがあるので、言動に意識することが大切です。
パタハラ(パタニティハラスメント)
育児休暇や早退を希望する男性社員に対してそれを阻害する言動のことを指します。
パタニティ(Paternity)は英語で父性を意味します。パタハラは育児介護休業法の違反行為にあたります。育児介護休業法は女性だけでなく、男性社員にも適用されるので認知の徹底が大切です。
エイハラ(エイジハラスメント)
「年齢」を理由とした嫌がらせや差別的言動のことを指し、年齢を理由にプロジェクトから外したり、部署や担当業務を変えたりすることや年齢にかかわる言動もそれに当たります。求人の際に正当な理由がないのに年齢制限を設ける行為もエイハラの対象になります。
人事担当が社員のためにできるハラスメント対策
社内研修
厚生労働省が定めたハラスメントに関する資料があります。それらを社内に掲示したうえで、ハラスメントの周知にむけた研修を行いましょう。
〈厚生労働省都道府県労働局 ハラスメントとは:sekuhara1.pdf (mhlw.go.jp)〉
〈厚生労働省 職場におけるハラスメント対策:0000181888.pdf (mhlw.go.jp)〉
相談窓口の設置
ハラスメント相談窓口設置は2020年6月1日に施行された「パワハラ防止法」によって義務化されました。
大企業だけでなく、2022年4月からは中小企業も対象になり、設置義務を怠った場合には厚生労働大臣からの勧告や企業名の公表といった社会的制裁がなされます。
設置の方法は「社内で担当者を決める」もしくは「外部に委託する」方法のふたつが有効です。
専門家との連携
上記の相談窓口設置も含めて、やはりハラスメントの知識を深く持った専門家との連携があると安心です。
日々変化する社会やそれに関連する法律に対して柔軟に対応するためにも検討してみましょう。
メディアにも多く出演している日本ハラスメント協会や厚生労働省の労働基準局へ相談してみるのもおすすめです。
ほかの企業のハラスメント対策を参考にする
大手企業は早くからハラスメント対策を取っているところも多く対策も進んでおり、例えば下記にもあげた大手配送業者クロネコヤマトでは、ハラスメントの種類ごとに相談窓口を用意しています。
クロネコヤマト:ガバナンス・コンプライアンス | ヤマトホールディングス株式会社 (yamato-hd.co.jp)
そのほかにも会社ごとに様々なハラスメント対策がされています。
ユニクロ:人権の尊重 | FAST RETAILING CO., LTD.
資生堂:backnumber2017j09.pdf (shiseido.com)
様々な企業の取り組み:他の企業はどうしてる?|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト- (mhlw.go.jp)
まとめ
今回はたくさんあるハラスメントの中から、起こりがちなハラスメント5種類と多様化した社会で注目されるようになったハラスメント5種類をご紹介しました。
受け手次第でハラスメントか否かが決まることもあるセンシティブな問題ですが、ハラスメント相談窓口の設置とともに普段から社員との面談を小まめに実施するなど、リモートワークが普及した今だからこそ今まで以上の社員の心のケアが必要と言えるかもしれません。
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