いくら経験が合っていても、面接の場でその経験や自身の考えをどう伝えるか、そこが面接の難しさでありカギでもあります。転職の場合、これまでのご経験は書類選考である程度確認されていますので、面接ではいかに自分の考えを自分の言葉で伝えられるか、また一緒に働きたいと思える人材かどうかをすり合わせる場になります。そこで前回は化粧品メーカー全体の面接で聞かれる質問傾向についてお伝えしましたが、今回は職種別に掘り下げて、実際の面接でアピールとなるポイントをご紹介いたします。化粧品メーカーの面接では経験重視の選考傾向にあり、どの職種でも「何ができるか」をしっかり確認されます。せっかく経験が合致していても勿体ない結果にならないために面接ではこれまでの経験をどういうポイントを押さえて答えるのがいいのかを意識してみてください。
【職種別】面接で押さえておきたい質疑応答の要点
研究・開発
一口に化粧品といっても様々なので自分の担当製品の特性をしっかり整理しておきましょう。特に研究・開発職の場合はスキルマッチングをより重視しているか傾向があります。扱っているカテゴリ・処方を組んでいる製品に応じて、成分などが異なってくるため、選考で確認されても答えられるようにしておきましょう。
アイテム:スキンケア、ヘアケア、ボディケア、メイク製品など
使用感:さっぱり、しっとり、高発色、シアー/マットなど
形状:粉体、液体など
☝RD的ポイント
使用されている成分への理解はもちろんのこと、どういったターゲット層に向けてどういう使用感を選定したのかなどその製品のことをただ説明するだけでなく、製品を作る過程について聞かれても答えられるように準備しておきましょう。またスキルマッチングを重視する=扱う製品との親和性が求めれますので、面接を受ける会社の製品との親和性もアピールできるようにしておくとよいです!ポートフォリオをお持ちの方は提出できると◎
デジタルマーケティング
最近の化粧品業界の動向として、ECサイトへ力を入れていきたい、参入していきたいと考えている会社が多く感じられます。そのため、デジタルマーケティングやECマーケティングに強い方は需要が高まり、プラス評価を得ている傾向にあります。具体的な施策と実績をしっかりアピールできるようにしておきましょう。
☝RD的ポイント
コロナ禍の影響でインバウンドでの需要が減ったことから越境ECに力を入れている企業もあります。そのため「現有社員では不足している知識や経験を補えるかどうか、即戦力になれるかどうか」という点がポイントになってきます。求人票の募集背景や募集要項をしっかり確認して何ができることがアピールになるのかを押さえておきましょう。
なお、コロナ禍の影響でECへ切り替えることにしたというよりは、以前よりECを強化しようと動いていた中でコロナ禍で在宅率が高まったことが大きく後押しした形になります。この職種に限った話ではなく、他化粧品メーカーや業界のトレンド・市場についてのマーケティング、情報収集力はみられている傾向があります。
営業
化粧品業界では、横のつながりがある人は歓迎される傾向にあります。その理由は、限定された問屋数。化粧品業界の問屋は、食品等とは異なり、数が限られています。そのため、取引先ルートが同じであれば、転職後の会社でも転職前と同じ問屋と取引を行うことになるのです。入社後に活かせる問屋とのつながりをすでに持っている人は、即役立てられるため重宝されるわけですね。量販店のバイヤーと仲が良いといった人も、人脈を役立てて売上を伸ばせるため、歓迎されるでしょう。営業職の方は営業先の親和性(ドラッグ・バラエティなどどこに強いか、どの卸を使っているかなど)をアピールできるようにしておきましょう。
☝RD的ポイント
化粧品メーカーの方が食品メーカーなどより、「うちの商品使った?見たことある?」的な質問を多く感じます。そのためマス向け商品を取り扱っている化粧品メーカーを受ける企画職や営業職希望の方には、面接前に必ず実際の商品チェックを促しています。
面接では何を伝えたいかを意識!
面接では書類上では分からない部分が見られています。書類上で分かることはどんな経験をしているのかという事実。そのため、面接の場では事実を単調に述べるのではなく、ご自身の経験をストーリーとして話せるようにしておきましょう。なぜ、どんな思いで、何を、どうした、どうなったのか、企業に刺さるポイントはどこなのかをよく考えストーリーを組み立て、しっかりと準備した上でアピールできるようにしておきましょう。